SNGから紡ぎだされたブログです。 - 新月の夜を経て、空は黎明を迎えゆく -
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The Past
月と太陽が統べる王国のお話。
それは何世紀も過去にさかのぼる。
現在においてもなお、その出来事はこの王国を揺るがす根本的な欠陥でさえある。
太陽の力を頂点とする光の王国。
その太陽を守護する6つの月たちが護る世界。
太陽がないならば、いかにして、月が生きられるというのか。
太陽も月も失う運命に陥った王国…。やがては闇が統べる帝国に侵略され、滅ぶが定め。
光の王国、闇の帝国。
決して交わることのない、永遠の対立関係を揺らがせた二人の若者。
王女ティス。皇子ファイ。
太陽が闇を愛してしまったがために、月は闇を屠ろうとし、
満月が放ったその閃光は 自らの存在を照らす太陽を滅ぼした。
太陽を失った月たちは滅びゆく運命。
朽ち果てゆく王国を死にゆく光で最期まで照らし続け、しかしすべての月が喪われるまで
新たなる太陽が昇ることはなかった―。
罪深き満月。
現在に至るまで、その力を発現するものは未だなく。
満月を欠いた5つの月は、今も満月を探し続けている。。。
それは何世紀も過去にさかのぼる。
現在においてもなお、その出来事はこの王国を揺るがす根本的な欠陥でさえある。
太陽の力を頂点とする光の王国。
その太陽を守護する6つの月たちが護る世界。
太陽がないならば、いかにして、月が生きられるというのか。
太陽も月も失う運命に陥った王国…。やがては闇が統べる帝国に侵略され、滅ぶが定め。
光の王国、闇の帝国。
決して交わることのない、永遠の対立関係を揺らがせた二人の若者。
王女ティス。皇子ファイ。
太陽が闇を愛してしまったがために、月は闇を屠ろうとし、
満月が放ったその閃光は 自らの存在を照らす太陽を滅ぼした。
太陽を失った月たちは滅びゆく運命。
朽ち果てゆく王国を死にゆく光で最期まで照らし続け、しかしすべての月が喪われるまで
新たなる太陽が昇ることはなかった―。
罪深き満月。
現在に至るまで、その力を発現するものは未だなく。
満月を欠いた5つの月は、今も満月を探し続けている。。。
****
皇子をかばい、満月の閃光に貫かれた太陽の王女。
皇子は配下の者たちによって闇へと連れ戻され、
残されたのは死にゆく太陽と、罪人の満月、そして絶望にのまれた月たち。
「なんてことを…!」
悲鳴交じりに満月を非難するセツナ(上弦・三日月)の声がやけに響く。
閃光を放った満月は王国の終わりを見た。
駆け付けたナイト(新月)が兄・満月に問う前に
アクセス(下弦・三日月)が力なく崩れ落ちた満月につかみかかる。
ウィル(上弦・半月)は帝国の武力介入を警戒し、即座に結界を張った。
クライ(下弦・半月)の力とナイトの力を持ってしても、太陽は輝きを取り戻すことはなかった。
太陽の力の影響を強く受けて輝く月から死んでゆく理。
その中で半月より先に死の旅路に出たのは、三日月だった。
「ナイト…ごめんなさい…」
『…』
「終わりが怖くて、あなたに酷いことをたくさん言ったわ…弟のあなたに責任があるわけじゃないのに」
「ごめんなさい…ごめんなさい」
『力を…君の力をクライに与えたね? こんなに衰弱して…』
「あの子が…あの子が可哀想で…私よりも力が強いばかりに、あの人もクライも、すごく苦しんで…」
「見て、いられなかったの。だから、夜、あの子が寝ているときに、私の力を注いで…っ」
「でもそれでもあの子の痛みは終わらないっ…!」
「あの人は…ウィルは私が力を与えることを、許してくれなかった」
「いつでも“弟のクライを一番に考えてやれ”って、そういって…」
苦しそうに上下する体が痛々しい。
ナイトの腕の中で、それでも恋人と弟の安らぎを優先するセツナ。
『セツナ、安らかにお眠り…もう苦しむことはない』
「怖いのっ…ウィルとクライを残して逝くことが…彼らの苦しみはずっと続く…私は傍にいられないのに…!」
「こんなにも…こんなにも恐ろしいの」
『セツナ…セツナ。 彼らがその時を迎えたら、苦しまないように送りだすから』
自らの力の代償による、安らかなる眠りへの誘いは、月たちだけの特殊な力であった。
「…最期まであなたに酷いことばかり…」
「死ぬこともできず、私たちを見送って一番最後まで、あなたは苦しむのね…」
『新月の定めだよ。僕が、満月が犯したこと全てを背負うから』
「それでも彼らの安らかな死を…あなたに望んでしまう私を、どうか許さないで…」
『セツナ。…セツナ。君は初めから、許されていたよ』
すぅっと閉じゆく瞼。
ナイトの力を借りて苦しむことなく旅立ったセツナ。
新月はその後、3つの死を安らかに導き、闇に侵略され滅びゆく国を見ながらその生涯をとじた。。。
*****
*転載・複写など不可*
皇子をかばい、満月の閃光に貫かれた太陽の王女。
皇子は配下の者たちによって闇へと連れ戻され、
残されたのは死にゆく太陽と、罪人の満月、そして絶望にのまれた月たち。
「なんてことを…!」
悲鳴交じりに満月を非難するセツナ(上弦・三日月)の声がやけに響く。
閃光を放った満月は王国の終わりを見た。
駆け付けたナイト(新月)が兄・満月に問う前に
アクセス(下弦・三日月)が力なく崩れ落ちた満月につかみかかる。
ウィル(上弦・半月)は帝国の武力介入を警戒し、即座に結界を張った。
クライ(下弦・半月)の力とナイトの力を持ってしても、太陽は輝きを取り戻すことはなかった。
太陽の力の影響を強く受けて輝く月から死んでゆく理。
その中で半月より先に死の旅路に出たのは、三日月だった。
「ナイト…ごめんなさい…」
『…』
「終わりが怖くて、あなたに酷いことをたくさん言ったわ…弟のあなたに責任があるわけじゃないのに」
「ごめんなさい…ごめんなさい」
『力を…君の力をクライに与えたね? こんなに衰弱して…』
「あの子が…あの子が可哀想で…私よりも力が強いばかりに、あの人もクライも、すごく苦しんで…」
「見て、いられなかったの。だから、夜、あの子が寝ているときに、私の力を注いで…っ」
「でもそれでもあの子の痛みは終わらないっ…!」
「あの人は…ウィルは私が力を与えることを、許してくれなかった」
「いつでも“弟のクライを一番に考えてやれ”って、そういって…」
苦しそうに上下する体が痛々しい。
ナイトの腕の中で、それでも恋人と弟の安らぎを優先するセツナ。
『セツナ、安らかにお眠り…もう苦しむことはない』
「怖いのっ…ウィルとクライを残して逝くことが…彼らの苦しみはずっと続く…私は傍にいられないのに…!」
「こんなにも…こんなにも恐ろしいの」
『セツナ…セツナ。 彼らがその時を迎えたら、苦しまないように送りだすから』
自らの力の代償による、安らかなる眠りへの誘いは、月たちだけの特殊な力であった。
「…最期まであなたに酷いことばかり…」
「死ぬこともできず、私たちを見送って一番最後まで、あなたは苦しむのね…」
『新月の定めだよ。僕が、満月が犯したこと全てを背負うから』
「それでも彼らの安らかな死を…あなたに望んでしまう私を、どうか許さないで…」
『セツナ。…セツナ。君は初めから、許されていたよ』
すぅっと閉じゆく瞼。
ナイトの力を借りて苦しむことなく旅立ったセツナ。
新月はその後、3つの死を安らかに導き、闇に侵略され滅びゆく国を見ながらその生涯をとじた。。。
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*転載・複写など不可*
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