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SNGから紡ぎだされたブログです。                          - 新月の夜を経て、空は黎明を迎えゆく -

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久しぶりに。
先日、ディズニーシ―にあるホテル、ミラコスタにてお泊りオフしてきました!

そこでSNGのお話をしたのがきっかけでスイッチが入りましたので、
スイッチが切れないうちにGC関連のSSをあげようかと思います。
ログ的な意味も込めて、日記でアップしたものを再アップ。

ソレンでは白鳥さん、ですが、やっぱりGC色が強いキャラクターなので
あえて「GC関連」として扱います。

過去編です。
図書館で借りた本を読みこむ放課後。
あいかわらず外は雨ばかり降っている。
外界と教室を隔てる格子窓。
ふと、かつて見慣れた視界と重なって胸の痛みを覚えた。
だからわたしは、あまり窓が好きではないのかもしれない。



空から落ちてきたあの人を発見したのはわたしで、
その縁で何度か訪れるうちに惹かれていってそして恋に落ちた。
彼が病魔に侵されていると知ったのはその後。

ルーメペンナリアン特有の病。翼が次第に赤黒く変色していく可視の病。
感染症というよりは遺伝子的な要因であろうという説が有力だが、
まだまだわからないことのほうが多く治療法は確立されていない。

彼はずっと病気のことを背負って生きていた。
初めて出会ったあの日…。
効果があるかもしれないという薬草を求めて出かけその帰りに力尽きたらしい。


あの人を想う気持ちでいっぱいだった。
わたしも薬草を求めて羽ばたき、やはり傷を負い、そして力尽きたところを発見された。

「傷つかないでくれ」と彼は泣いた。

…生きてほしいと願うのに、苦しまないでほしいと祈るのに、ずっと一緒にいたいと思うのに。

- わたしの想いはどこへ行ったらいいの…?


涙に沈んだ夜から目が覚めて。
世界とわたしが隔たられていることに気づく。

昨夜の彼の言葉が響いて刺さる。
あの人は二度と傷つけないために、わたしから翼を奪ったのだった。
この鳥籠に名をつけるとしたらそれは…。「愛ゆえの哀」だと、そう思った。



パタン。

読みかけの本を閉じ、大きく息を吐いて目を閉じる。

そろそろ帰ろう。
帰ったら美味しい紅茶を飲みながら童話の本を読もう。

鞄に本を詰め込んで教室を後にする。
ちらりと格子窓を見て、扉を閉めた。

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